2021.09.26

日本と海外でここが違う!出産時のへその緒は?大事にしたい命をつなぐ風習

日本では出産が終わると「へその緒」を大切に保管する文化がありますよね?これは江戸時代からの文化で「乳歯」「産毛」「へその緒」「元服時の前髪」この4点を保管する習わしがありました。

 

「乳歯」は、今は専用のかわいいケースが販売されたりしていて、赤ちゃんの時の小さな歯を保管します。昔は、屋根の上に投げるとかありましたね。保管よりもゲン担ぎをして、子どもの健康を祈っていたのも、日本特有ではないでしょうか。

 

「産毛」は、赤ちゃん筆が有名ですね。筆にできるくらいの長さになるまで待つその時間もまた思い出深いものです。最近では、FirstCut-Artとしてパステルアートで動物を描き、そのしっぽの部分に切った産毛を貼り付けて飾る作品もあります。赤ちゃんの産毛は、お腹の中にいたときから生えていて、その毛先は丸いらしいのですが、1度はさみを入れて切ってしまうとその丸みは二度と戻らないらしいです。それを聞くと、産毛も愛おしくなっちゃうのが親心ですね。

 

「へその緒」は、出産した産院のお産セットにケースが含まれていたりすることが多いです。木箱に入れることが多く、中には綿が入っていたりするものもあります。ネットで購入できるものでは、木箱も白木やヒノキなど木の種類も様々で、表面に名前を入れてもらえたり、かわいいデザインも用意されたりしています。へその緒は出産したときとは変化して、水分がなくなり黒くなっていくので見た目は驚きますが、母と我が子が繋がっていた証と思うと貴重です。さらには、へその緒で臍帯血を取って置き、重大な病になってしまったときに対応できるようにされる方もおられます。へその緒の細胞を調べることでわかることも多いので、赤ちゃんの命を守ることにも繋がるものです。まさに大切に保管しておきたいものですね。

 

「元服時の前髪」は、聞きなれないですよね。元服とは男性の儀式であり、一人前の人間として周囲に認められるために行われました。現代でいう成人式のようなものですね。元服が行われる際、一人前の人間になったことを示すために、「烏帽子」という帽子を被ります。この烏帽子を被るためには、「総角(そうかく)」という子どもの髪型から、「冠下の髻(かんむりしたのもとどり)」という髪型に結い直す必要がありました。総角とは、髪を肩まで垂らした髪型やポニーテールのように後頭部で簡単に結う髪型のことです。一方の冠下の髻とは、伸ばした髪の毛を一つにまとめて結い上げ、頭のてっぺんでまとめる髪型のことです。つまり、元服によってふさふさした総角から、きりっとまとめた冠下の髻へと髪型を大人のものに変えるということです。髻とは元服を終えた青年、つまり一人前の大人として認められた証であるため、元服を済ませたものはみなこの髪型をすることによって、一人前の人間であることをアピールしたのです。そのために、親は大切に保管するようになったのだと言われています。

 

これらのことは日本独特な文化でもあります。ブラジルではへその緒をバナナの木に入れ、大きく健康に育つよう思いを込める風習があるとのことで、諸外国によって全く違います。そもそも日本では赤ちゃんが生まれたときにへその緒を切るのが一般的ですが、欧米ではへその緒を切らずに胎盤と赤ちゃんが繋がったままにする「ロータスバース」が人気を集めています。ロータスバースのメリットは、へその緒を切るハサミから細菌などに感染するリスクが低くなることに加え、胎盤やへその緒に残った血液や栄養を赤ちゃんに送ることができるということです。赤ちゃんについたままの胎盤は専用の袋や布で包んで置いておきますが、3~10日すると乾燥して取れてしまいます。「へその緒を切るのを3分間遅らせると、鉄分不足による貧血を起こすリスクを避けられる」という研究結果もあり、アメリカではへその緒はゆっくり切ることが推奨されているそうです。

 

また、へその緒を保管する習慣がない欧米諸国では、へその緒を保管してくれるよう依頼していないと捨てられてしまうこともあります。アメリカで出産したママのなかには、新生児集中治療室に入院している娘のへその緒がなくなっていることに気づき、「へその緒はどこですか?」と聞いたところ、看護師から「取れたから捨てた」と言われた方もいますよ。また、へその緒が欲しいと伝えたとしても、赤ちゃんから取れたへその緒ではなく胎盤から切り取ったへその緒を渡されることもあります。へその緒が乾燥していない状態の場合、自分で乾燥させなくてはなりません。なかには「30cmはある冷凍状態のへその緒」を渡されたママもいるようです。もう笑い話のような感じですが風習が違うと、こうまで違うのかと驚きますね。

 

海外で出産すると、国籍を2つ持てるので選択する方もおられると思います。海外での出産は、手続きだけでなく、このような風習でも違いがあることも少し知っておくといいかもしれませんね!