2021.09.25

妊娠中に食べる魚の選び方。魚の大きさで変わる妊婦さんへの影響とは?

妊娠中にママが口にするものが、やはりお腹の中の赤ちゃんに影響があることは多くの方がわかっていると思います。お腹の中の胎盤を通して、赤ちゃんはママから栄養をもらうからダイレクトに届くイメージがありませんか?でも、それくらいの意識があることが大切だと思います。「2人分食べなければいけないのよ!」が決まり文句だった時代もあり、ホルモンの変化で自然と起こる食欲のままに食べて、太りすぎる傾向がありました。それにより、妊娠中の体重制限が出てくる流れになっています。最近では、それにより日本の出生体重は世界の中でも小さいと研究されているくらいです。でも、妊娠中の身体の変化やホルモンの変化は、自分の意思とは反する部分もあり、妊娠していない時期と比べてしまうとコントロールすることは難しく悩んでしまうこともあると思います。

 

日本人の食文化は欧米化が進んでいるとはいえ、まだまだしっかりと歴史の中で受け継いで来た日本食の技が光ります。自然の力を利用した栄養価も高く身体にいい要素を多く含む発酵食品は、海外の方も注目するほどです。米を主食とすることもまた良く、玄米は特に白米よりも多くの水を吸収して炊くし、ミネラルも豊富です。妊婦さん特有の浮腫みも、玄米を主食とすることで予防にも繋がります。これらのような日本食のパワーを活かしていくと、心も体も喜び、無理のない食事の管理ができるはずです。もちろん、たまに食べるケーキやチョコレート、ハンバーガーなどはストレスを作らないためにも気分転換として上手に活用してくださいね。

 

このように良いとされる部分が多い日本食ですが、そうは言っても注意点もあります。そのひとつをご紹介します。それは「魚」です。魚は良質なタンパク質や、血管障害の予防やアレルギー反応を抑制する作用があるDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)を多く含み、またカルシウムなどの摂取源で、健康的な食生活をいとなむ上で重要な食材です。妊婦や出産のための栄養バランスの良い食事を作るには欠かせないものであります。

 

ところが、魚には食物連鎖によって自然界に存在する水銀が取り込まれています。魚介類を極端にたくさん食べるなど偏った食べ方をすることで、この水銀が取り込まれ、おなかの中の赤ちゃんに影響を与える可能性があることが、これまでの研究で指摘されています。

 

では、魚を食べるときは何に注意したらいいのでしょうか?それは、「種類」と「量」です。まず、魚1人前に含まれる水銀量に注意です。キダイ・マカジキ・ミナミマグロなどは刺身1人前、切り身1切に含まれる水銀量が少ないとされています。次に、1週間を基準として摂取する水銀量を考えましょう。おなかの中の赤ちゃんに影響を与えない水銀量は、1週間に1個までが目安です。さらに、いろいろな魚を組み合わせて食べる場合は、それぞれに含まれる水銀量から、1週間の合計で考えなければいけません。もし、1週間で水銀量が多すぎたなと感じたときは、翌週に多く減らすなどを工夫をしてください。とはいえ、細かく計算しながら食べることは難しいものです。何でもそうですが、食べすぎることが一番良くないのです。必要な栄養素も含まれているものでもありますので、いくら身体に良いし好きだからとはいえずっと食べていることはせず、魚以外にも肉や野菜と同じ頻度で食べるようにすれば、自然と水銀の過剰摂取は防ぐことができるでしょう。

 

私たちが普段の食事でからだに取り込んでいる水銀の量は、健康に影響を与えないと考えられる最大量の57%です。また、身体の中に取り込まれた水銀は、徐々にからだの外に出ていきます。約2か月で取り込んだ量の半分になります。そのため、平均的な食生活をしている限り、水銀が過剰にからだの中にたまっていくことはなく、健康への影響を心配するものではありません。注意しなければいけない点は、小さい魚がそれよりも大きい魚へ、そしてもっと大きい魚へ食べられていくことが食物連鎖の原理です。大きい魚はそれぞれが食べたものを取り込むことになります。魚それぞれに水銀が含まれていますから、一般的には大きい魚は小さい魚に比べて自然と多くの水銀を取り込むことになります。なので、大きな魚をたくさん食べないようにするだけでも予防になるということです。

 

妊娠中は何かと制限が多い時期。でも、お腹の中の赤ちゃんのことを守ることを思うと頑張れますよね。その頑張りも無理はすることなく、正しい知識のもと進めてほしいと思います。今回の魚についても、これは食べたらだめ!というわけではないので、魚を美味しい日本食の味でぜひ楽しんでください。

 

参照・参考サイト:厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/100601-1.pdf