2021.06.08
男性が育児休業を取得をしやすくなる制度を定めた育児・介護休業法の改正法が、2021年6月3日、衆議院本会議で成立しました。ニュースの速報で取り上げられ、注目している方も多いと思います。ママが産休前後の方は、パパにどのタイミングで育休を取ってもらうのか、そもそも取れる環境なのか把握して夫婦で相談しておきたいですよね。
取得率わずか7.48%、しかも1週間内の短期間の取得が7割という男性育休が2021年を節目に変わろうとしています。「育児介護休業法」は、育児または家族の介護を行う労働者が仕事と家庭生活の両立を図られるよう支援することを目的とした法律です。法律に基づいて、会社も育児休業について所得しやすい環境に変化していってほしいと、ママ目線では説に感じます。
以前にも、育児休業と育児休暇については取り上げています。
【知っておきたい育児休業&育児休暇】
男性の育児休業取得が進まない原因となっているのは、「男性は育休を取りづらい」など職場の風土の問題に加え、一度に長期休業するのが難しかったり、育休中に収入が減ったりすることもハードルになっていました。改正法ではこうした実態に応えるため、新たな制度や制度変更がされています。
2022年秋にも始まる新しい育休制度。何がポイントなのでしょうか!
1、産後8週間に所得しやすく、分割も可能
今回の改正法案の大きな特徴として、育児のスタートとなる大事な出産直後に男性育休を取りやすくするために、出産日から8週間の間に、4週間の育休を取得できる仕組みを新しく作ります。男性も育休を取得しやすくするため、分割して取得できるようになります。
出典:厚生労働省「男性の育児休業取得推進等に関す参考資料」
2、休業中でも一定量は働いていい
また生後8週間であれば、育休取得日数の半分を上限に、仕事をすることも認められます(労使合意が必要)。在宅ワークが普及する流れの中「育休中でもある程度、仕事ができる」ということで、取得しやすくなることを想定しているのです。家計としては収入の上乗せが望めますね!ちなみに育休中の収入については、これまでと同様に休業給付金がハローワークから支給されることになります。金額は育児休業開始時の賃金の67%(開始から7カ月以降は50%)ですが、健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料が免除されます。実際の支給額は収入の8割程度が育休中も保障されているということです。ただし支給額には上限があり、最初の6カ月では約30万円。7カ月以降では約22万円。となっています。
3、会社から育休所得の確認をしていく
改正法案では、育休取得対象の男性に対して、制度について説明し、取得の意向を個別に確認することが義務化されます。男性の育休取得を妨げる壁となっているのが、職場の空気感です。育休を取得しなかった理由では、「職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だった」が5人に1人に上ります。企業への確認義務化は、こうした事態を解消することが目的です。働いている人が1番会社の状況をわかっているのはいうまでもありません。日本人特有の配慮の気持ちからこのような雰囲気に自然となっているのがわかっているならば、法律に基づいて会社から聞いてくれることは育休取得を堂々とできるきっかけになりますね。
4、申請をよりしやすく、期限を1か月前から2週間前に変更!非正規雇用でも取得できる
改正法案では、先ほどの生後8週間の育休も含めて、子どもが1歳になるまでに男性は最大4回、女性は2回に分けて育休を取得できるようになります。申請期限についても、これまでは「1カ月前」の申請が必要だったが、「2週間前」に変更されます。加えて、育休を取得できなかった「働いて1年未満の非正規雇用」についても、育休を取得できるように変更されています。仕事と2人目の出産のタイミングに悩む人は多いです。仕事を新しく始めた人でも、育休があるとないとでは変わってきますね。
5、大企業は男性の育児休業取得率を発表
2023年4月からは、従業員が1001人以上の大企業では、男性の育休取得率の公表が義務付けられることになります。育休を取りやすい風土を作るための施策として、企業側に意識づけをするものです。大企業が率先して実施し、育児休業についての印象を変えていくことは大切な動きです。
わが子の成長は早いものです。特に0歳の時期は毎日が変化する時期。昨日できなかったことが今日はできているなんてことは多いですよね。その成長をパパだってママだって1番傍で見守っていたいのは当たり前です。私の父は孫が増えていってふと漏らしました。「お父さんはお前たちの好きなものや嫌いなものもわかっていなかった。あの時は一生懸命働くことで子育てしていると思ったけど、そうじゃなかったんだな」と言っていたんです。おじいちゃんになって子どもたちが成人してから気づくなんて・・・と聞いてる私は何とも言えない気持ちになりましたが、時代が育休などがあるときではなかったので仕方ないといえば仕方ないです。でも今は違う!このように法律として改正された今は、男性も制度を利用して、今しか見ることができない子どもの成長を感じてほしいと思います。