2021.05.05

【溶連菌に注意】おうち時間やお休み期間の体調管理も例年以上に大切に!

子どもが咳をし始めたり、鼻水を垂らしたり、いつもの元気さとは違う表情だったりと、毎日一緒に過ごす親だからこそ、その変化にすぐに気付くことができますよね。子どもが「喉が痛い」と言って来たら、まずどうしてますか?私は「あーんして」と言って喉の腫れ具合を見たり、乾燥していないか確認したり、前日に大声を出して遊んでいないか思い出してみたり(笑)しています。意外と遊びにハッスルしすぎて、声を枯らしてることが多いのは息子ですけど(笑)

 

お子さんが「のどが痛い」という時、その大部分はウイルスや細菌に感染して“のど”に炎症を起こしている状態です。その多くはウイルスによりますが、細菌では怖い続発症(合併症:リウマチ熱、急性糸球体腎炎など)を引き起こす溶連菌が重要で、この細菌による感染症である溶連菌感染症はこどもに多い疾患です。

 

症状の代表的なものは、発熱(38〜39℃)と“のど”の痛みです。しかし、3歳未満ではあまり熱があがらないと言われています。そして、体や手足に小さくて紅い発疹が出たり、舌にイチゴのようなツブツブができたりします(イチゴ舌)。そのほかに頭痛、首すじのリンパ節の腫れ、腹痛や嘔吐などの腹部症状もみられます。急性期を過ぎますと、発疹のあとには皮むけが認められるようになります。風邪と違って咳や鼻水が出ないというのもこの病気の特徴です。この病気には潜伏期間があり、実際に感染してからだいたい2〜5日で症状が出ます。

 

病院に行くと、年齢、熱の程度、“のど”の発赤の具合、体や手足の発疹の程度から溶連菌に感染している疑いがあれば、確認のために検査を行います。最近は、“のど”についた細菌の検査の中で、溶連菌については、5〜10分以内に結果が出るので、すぐに溶連菌かどうかわかります。

 

溶連菌の感染とわかれば、熱やのどの痛みといった症状をやわらげるお薬のほかに、抗菌薬が出されます。抗菌薬は病気の原因になっている溶連菌を退治する大変重要なお薬です。お薬を飲み始めると、2〜3日で熱が下がり、のどの痛みもやわらいできます。確実に溶連菌を退治し、重大な合併症を引き起こさないために、症状が消えても抗菌薬はしばらく飲み続けなくてはいけません。一部の抗菌薬以外は、5~10日間飲み続ける必要があると言われていますので、医師の処方どおりに最後まで飲ませることが大切です。

 

溶連菌感染症は、繰り返しかかることもあります。大人になってもかかります。溶連菌感染症の症状としては咳や鼻水がありませんが、日常生活の中で出る咳やくしゃみなどによって近くの人に感染(飛沫感染)することがあります。また、溶連菌に汚染された食品が原因のこともあります。一人がかかったら家族、特に一緒に遊んでいる兄弟への感染に注意が必要です。子どもの世話する親が次にかかってしまうのはよくあるのですが、なぜか大人がかかるととってもしんどい。家族で順番にかかっていくとそりゃもう悲惨ですので、心構えをしてできるだけ続けて感染しないようにしておきたいですね。

 

溶連菌感染症の流行は、例年、ゴールデンウィーク明けの5月中旬以降に患者数が急増しているので注意が必要です。本格的な流行は、5月中旬~6月です。保育園などで流行すると、やはりクラスでもらってきます。今はRSウィルスに次いで溶連菌も増加傾向にあります。今年のゴールデンウィークは緊急事態宣言も出ているので、自宅にいたりすることが多いかもしれません。接触がない分、RSウィルスや溶連菌への感染リスクが少ないかもしれませんが、自分の身体の健康を維持しておくことは何ごとも大切ですね!